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日本のゴム先物相場において当限と先限とが順ザヤを形成している理由

 また振り出しに戻って、23日タイ現物価格の円換算についてであるが、実際の買い成約ベースでの実態価格はキロ当り約207円となる計算である。これに対して、8月積みであれば先物市場の9月限に対し、9月積みであれば10月限に対しショートヘッジをかけることになる。つまり買い成約をした数量分だけ売り建てが入る。例えば商社が9月バンコク積み・キロ196セントで1000トン買い成約した際には10月限の199.0円に対して200枚売りヘッジをかけることになる計算。この一連の作業がいわゆるhedge (ヘッジ)という作業で、輸送期間の価格変動を固定するため先物市場を活用するという機能性がある。

 ここまで話しを進めてきて疑問点が出てくる。数値の整合性が取れないのである。日本の商社が、わざわざ産地から傭船してキロ207円で買い付けして、それを先物市場にキロ199円で売らなくてはならないのである。つまり買い付け価格よりも約8円も安売りすることになる。日本にゴムを輸入して先物市場にヘッジする商社はことごとく損をする計算になる。

 この数字上のマジックを解説すると、それは先物市場の限月間のサヤにある。売りヘッジをかけた限月が当限までまわって受渡をするタイミングになって、その間、サヤ滑りで得られる利益が日本のインポーターの損益を埋めるのである。逆に、限月間にコンタンゴ(順ザヤ)がなければインポーターの産地買い付けは厳しいものとなる。

 参考までに、23日現在の先物市場の午前11時現在相場は当限が191.0円、先限が203.2円で12.2円のコンタンゴがついている。ヘッジ対象限月の10月限が199.0円で当限とは8円のコンタンゴである。従って、タイ現物と先物市場とのバックワデーション(逆ザヤ)が理論上8円安いが、先物市場のサヤが、ちょうどうまい具合にこの損失分を補ってくれるのである。

 確かに、投資する上での順ザヤは買い建てする方にとっては非常に不利な条件となることは確かだが、その順ザヤが日本に安定的な天然ゴムを輸入してくれる担保になっていると考えれば納得いくのではあるまいか。投資的には、順ザヤになっている期間は投資家もシュートのポジションを取ればよいのである。■

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