米政府閉鎖でも上がらない金価格の論理

金価格にとって、原油安の影響は絶大

加えて、ここにきて原油価格が下値切り下げ傾向を強めていることで、商品市況全体に対して調整圧力が強くなっている影響も大きい。

7~8月の金価格急伸を受けて、マーケットでは現物需要の拡大で金価格はボトムを打ったとの楽観的な評価が目立った。しかし実際に金相場を押し上げた原動力は、現物需要の拡大というよりも、原油などのコモディティ市況の水準切り上げに伴う、購買力指標としての金価格上昇圧力に過ぎない。

エジプト、シリア、リビアと中東・北アフリカの地政学的リスクがドミノ倒し的に顕在化する中、8月のマーケットでは原油価格が1バレル=150ドルに達する可能性さえも指摘されていた。極めて単純化すれば、原油価格が1.5倍の価格を付けるのであれば、金価格もそれと同じ比率で上昇する可能性があるだけに、万が一のオイルショック型のインフレ圧力に対する警戒感が広がったことが、7~8月にかけての金価格上昇の真相である。少なくとも、「現物需要のサポートが…」といった議論よりも、原油高の方が金価格に及ぼしたインパクトは大きかったと考えている。

このロジックで言えば、原油価格が軟化し始めた9月以降に金価格が下落したのは当然の帰結であり、ドル建て金価格は原油高に伴う一時的な高騰局面を消化して、ダウントレンドを再開しているとの理解で良いだろう。

シカゴ連銀のエバンス総裁は9月27日、「当面の物価目標を達成せずに利上げした場合、私の知る全ての理論からすればインフレは低下する」と警告を発したが、これが金投資環境の現実である。ドルの購買力を回復する動きが着実に強まる中、金価格に対しては逆風が吹き易い相場環境が続くことになる。

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