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石油戦争の行方

 NY原油は3月20日に一時19.46ドルまで下げた。世界的に感染の範囲が広がっている新型コロナウイルスの影響により景気が減速してエネルギー需要が大きく落ち込むであろうとの見方から、1月8日の高値65.65ドルを起点として下落し始め、あれよあれよという間に50ドルを割り、40ドルを割り、ついに30ドルをも割り込んだ。最終的に20ドルを下回って歴史的な安値圏まで後退してしまった。この水準は2002年2月以来で、実に18年ぶりの安値となる。

 3月7日に報道されたのは、この前日までに開催されていたOPECと非OPEC産油国との会合が減産拡大に合意することができなかったという耳を疑うような結果である。大きく減っている原油の需要の穴を埋めるため、少なくとも100万バレル以上の減産が必要だと考えられていた中、減産拡大に対し首を縦に振らなかったロシアに怒ったサウジアラビアが、協調減産そのものを白紙に戻す決断を下したのである。

 仮に、今回のOPECプラスの会合を前にしてサウジアラビアが提唱していた150万バレルの追加増産に合意できていたなら、当然、原油価格の値動きはまったく違っていたはずだ。追加減産の合意が決裂しただけでなく、既存の210万バレルの減産も今月末の期限をもって終了するというから、この表に出ている数字だけ取っても、360万バレルの減産がご破算となったことになる。

 しかも、石油需要は航空機向けのジェット燃料を中心に激減しているわけで、急速に減っている需要と急増する供給とを考え合わせると、世界の原油需給は過去に経験をしたことがないほどのオーバーサプライとなっていくことは論を待たない。しかも、サウジアラビアは今後は増産に踏み切る意向を示し、これからの原油価格の下落を甘んじて受け入れる姿勢であるということも驚きである。
 

 

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