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冷める地政学的リスク

 1月3日、米国はイラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官を殺害し、同時にイラクの民兵組織のトップであるアブ・マハディ・アル・モハンデス司令官も同時に殺害した。こうした民兵組織はレバノン、イエメンなどでイランの代理として戦闘を担っている。

 イラン政府は、8日報復として10発以上の弾道ミサイルを米軍が駐留するイラク国内2カ所の基地に撃ち込んだ後、これで報復攻撃が完了したとの判断を示した。イランから事前に攻撃の通告があったため、この攻撃による基地の被害は軽微であり、米国人、イラク人の死者は出なかった。トランプ大統領はイランが「休戦」を望んでいるようだと語った。

 9日、ウクライナ国際航空のボーイング737-800型機がイランの首都テヘランを離陸した直後にイランの地対空ミサイル2発によって撃ち落とされた。イラン人も多数乗っており、イラン政府が間違って撃ち落としたことをすぐに報道しなかったことに対して、イラン国内で反政府デモが起こっている。

 驚くべきことにデモ隊はハメネイ師の辞任を要求している。イラン国民は経済封鎖により、相当不満が高まっているようだ。イランは戦争どころではなさそうである。こうした動きは、当初米国対イランの戦争勃発かと思わせた地政学的リスクを急速に冷却している。

 今後、イランと共闘していた米国のIS攻撃はイランの離反と米軍のシリアやイラクからの撤退となれば、クルド人も撤退し、ISは息を吹き返すだろう。イランは米国の中東からの撤退を望んでいるが、それが実現しそうになっている。イランや北朝鮮は核開発を再開し、米国内は国際問題から大統領選の国内問題に焦点を移すだろう。現時点での事前予想ではトランプ大統領が優勢だと言われている。

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