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2020年の金価格

 2019年の金価格は、6月に米連邦準備制度理事会のパウェル議長がそれまでの利上げ傾向から一転して利下げを表明し、その後8月1日にトランプ大統領が中国産品に対して追加関税をかけると述べたことからNY株価が急落し、それと共に金はETF等を通じて大量に買われた結果、NYコメックス市場では1500ドル/オンスを超えて上昇し9月4日には1,566.2ドルと2012年以来の高値を付けた。日本でも東京商品取引所の金価格は9月4日に5,304円/グラムとなった。

 金価格の上昇は、2009年以来続く米国の株高や、欧州、日本などの金融機関におけるマイナス金利で、欧州では2019年9月以降、銀行等の大口預金者に対して口座管理料が課されるようになっていたことも背景にある。新たな産業の資金需要は小口化しており、成長企業で巨額の資金を必要とする産業は少なくなっている。

 2020年の金価格を占う場合、サプライズとなる出来事が発生して株式投資から資金が引き上げられ、金へ再び配分されるかどうかが一つの目安となる。

 一つのリスクは膨れ上がった債務のデフォルトであろう。IIF(Institute of International Finance:国際金融研究所)の推計では、2019年末の世界の負債残高は255兆ドルで過去最高を記録する見込みであり、金融危機の2009年末でも186兆ドルであったから、当時より現在の負債は+37%も増加している。

 その中には米国の学資ローンや自動車ローン、豪州の不動産ローン、韓国の家計債務、アルゼンチンの政府債務、また低金利を利用した社債発行があり、社債は前年比+13.5%増加している。本来格付けが悪くて社債を発行できなかったジャンク債にも資金が集まるようになっている。変動金利で借りた資金は将来金利が上昇すれば、現在の収入では返済不能になる可能性がある。

 現に中国では、企業収益より債務の返済額の方が大きい企業が増えているという。延命措置は取られているものの、どこかで破綻するであろう。2020年は債務危機が一つの金価格上昇のトリガーとなるかもしれない。
 

 

 

 

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