原油市場にはOPEC総会以外にも変動材料がある

 足元の国際原油市場で関心が集まっているのが12月5日に開催されるOPECプラス総会である。今の協調減産が来年3月で期限切れとなることから、4月以降を見据えて現行の減産政策をどうするのか、その行方はマーケットにおいて需要なキーである。今の段階では協調減産が延長されることはほぼ確実視されているものの、減産を強化させることに対してはロシアが難色を示しているため流動的な状況である。しかしOPECの盟主であるサウジアラビアが減産幅の拡大に意欲を燃やしている状況であることから、減産幅が現行の日量120万バレルから拡大される可能性もある。

 このように原油市場はOPEC総会待ちの状況下にあるが、この政治的な要因のほかにも軽視することができない変動要因が多々ある。その一つが最近のニュースで流れているイラクの反政府デモの動きである。

 市民による大規模な反政府デモが継続しているイラクで先月、議会第1会派を率いるイスラム教シーア派宗教指導者ムクタダ・サドル師が第2会派を率いるシーア派民兵組織ハディ・アミリ司令官の協力を呼び掛けた上で、アデル・アブドルマフディ首相に対し、早期の選挙実施に応じなければ直ちに不信任の投票をすると書簡で通知。議会の2大派閥である両陣営が一致すれば、政権運営への影響は避けられない見通しとなっている。このような状況の下、10月初めから発生した反政府デモは、アブドルマフディ政権発足から1年となる10月25日にあらためて大規模なデモが呼び掛けられ、バグダッドのみならず全国規模で混乱が拡大、報道によるとデモ開始からの死者は250人以上と伝えられている。

 経済面での影響も大きく、南部の主要港湾ウンム・カスル港がデモ隊による業務妨害により、11月に入ってからは業務を完全に停止したと伝えられている。デモ隊は政府による原油による収益に対し妨害活動を行っているため、イラクの産油量は今後自然と減産へ向かうことが避けられない状況となっている。
 

 

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