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タイの所得補償制度と真菌病

 東京ゴムRSS3号は先週23日に反発、先限は9月24日以来の170円台乗せとなったものの、その翌日には反落するなど上げは長続きしなかった。

 反発のキッカケとなったのは二つある。一つは、タイ政府がゴム農家に対して所得補償制度を導入すると伝えたこと、もう一つはロイター電で、タイの天然ゴム産地で“真菌病”が発生、タイゴム研究機関の幹部が、『病原菌の影響を受けた地域の天然ゴム生産量は最大で50%減少する可能性がある』と指摘したためだ。

 タイ政府によるゴム農家に対する所得補償の詳細は、①所得補償期間は2019年10月から20年3月までの6ヵ月間、②補償総額は242億8,000万バーツ、③適用ゴム栽培農家約140万世帯、④農園総面積1,700万ライ(1ライ1,600平方メートル)、⑤1世帯当たり25ライまで補償、⑥補償価格はゴムシート60バーツ、ラテックス57バーツ、カップランプ23バーツというもの。

 問題はこの所得補償をどう評価するかだ。それを素直に受け取れば、政府がゴム農家を保護するため農家の所得が増えるため、天然ゴムを安値で売却しなくても良い。だから、ゴム相場には強材料と受け止めやすいが、それは逆である。むしろ、農家は収入が増える分、より安値でゴムを売却する可能性がある。もう一つ、これによって農民のゴム生産を刺激して増産に走る恐れがある点だ。

 安値が続けばゴム樹の伐採も考えられるが、それどころか、新規のゴム樹を増やしかねない。

 要するに、経済の原則が働けば、『高値で増産、安値で減産』という需給調整機能が働くが、政府が所得補償制度を導入することによって、それが機能不全になることが予想され、天然ゴムの供給過剰に拍車をかけることも考えられる。

 それでなくとも、中国の新車販売が15ヵ月連続で前年を下回り、1~9月は前年同期比で約10%の減少であり、天然ゴムの消費減につながる。

 ただ、こうしたなかでインドネシア、マレーシアで発生している真菌病がタイまで拡散、それが拡大すれば天然ゴムの減産要因になる。

 IRSG(国際ゴム研究会)によると、インドネシアでは10万ヘクタールに真菌病の被害が報告されていると伝えている。

 インドネシア農業省の担当者は、『インドネシア全土の3割の農園が感染した』と語ったとされ、今後、その行方から目を離せない。結論はタイの所得補償制度導入によって天然ゴムが増産されるとしたら、真菌病による減産を少しでもカバー出来ると見るのはどうだろうか。いずれにしても真菌病による減産度合が不透明なことから、時間をかけて見守る必要があろう。
 

 

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