サウジが受けたドローン攻撃で高騰した原油相場の行方

 16日の国際原油相場が急騰し、NY原油の中心限月は前週末比8.05ドル高と過去最大級の上げ幅を記録し62.90ドルで引けた。一時は63ドル台まで吹き上がり約4カ月ぶりの高値に達した。北海ブレントも大きく上昇し中心限月は同比8.80ドル高の69.02ドルで取引を終え、一時71ドル台まで上げて70ドルの節目を突破した。

 報道にあるとおり、原油高となったのはサウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたことで産油量が極端に少なくなると伝えられたからだ。サウジの国営石油会社サウジアラムコ本社近辺の石油施設であるアブカイクとクライスにおいて14日にイエメン反政府武装組織フーシ派による大規模なドローン攻撃を受け、石油施設に甚大な被害が発生した模様。今回の攻撃で失われた原油生産は570万b/d(バレル/日量)で世界の原油供給量の約5%に相当する。

 攻撃された直後、原油生産が半分まで回復するために数週間または数カ月かかる見通しと伝えられたが、攻撃されてから3日後の17日にサウジのアブドルアジズ・エネルギー相は「原油の供給は完全に回復した」との見解を示した。今回の攻撃で原油生産は約半分が停止を余儀なくされたことは事実だが、備蓄原油を供給にまわすことで事態の沈静化を図った。

 原油マーケットは、突如として伝えられたサウジの生産障害事件が強く意識されて投機的なロングポジション取りが圧倒的優勢となったため、事態の直後に一部の有識者は「原油価格は100ドルまで上げる」と強気な見方を示した。

 しかし、サウジが備蓄で供給を担保する動きとなったことで翌17日と18日の国際原油価格は大幅続落となり、100ドルに向かうような情勢とはならなかった。
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事