中東の動乱による原油高は限定的か

 アメリカ同時多発テロを引き起こしたとされるウサマビン・ラディンを指導者とするアルカイダの存在は、米国による掃討作戦や資金凍結から近年は鳴りを潜め表舞台から消えたかのようにみえる。このアルカイダに代わり最近ニュースとして目につくのが中東の武装組織「フーシ派」が引き起こしている事件である。

 このフーシ派とは、正式には「アンサール・アッラー(アッラーの支持者)」とされ、この支持者らが宗教的に帰属する組織が「シーア派」と呼ばれる宗派である。この宗派は積極的な武装闘争を奨励する傾向があるとされており、サウジアラビアの南方に位置するイエメンにおいてフーシ派などのシーア派は全人口の3分の1強を占めている模様である。

 先週17日にサウジアラビア東部に位置するシェイバー油田内の天然ガス施設が無人機攻撃を受けたと報じられたが、これはこのシーア派(フーシ派)からの攻撃と目されている。

 サウジはイエメン内戦に軍事介入し、フーシ派との戦闘を継続するとともに後ろ盾のイランと対立しており、今回の攻撃でイランとの緊張がさらに深まる可能性がある。参考までにシェイバー油田はアラブ首長国連邦との国境にあり、今回フーシ派は無人機10機で攻撃したとの声明を出している。

 フーシ派は今月1日にもサウジアラビアのペルシャ湾沿岸都市ダンマームの重要な軍事拠点を最新鋭のミサイルにより攻撃したとの事件を起こしたばかり。また今年5月には先週の事件と同様に爆発物を載せたドローンがサウジ東部の油田と西部の港をつなぐ石油パイプライン施設を2カ所攻撃したことも報じられている。深刻な損傷や死傷者はなかった模様だが、サウジの国営石油会社サウジアラムコはパイプラインの稼働を停止した経緯がある。
 

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