2019年上半期の金鉱山生産量 by GFMS

世界的な増産傾向は低コストと生産効率の向上がカギ

 世界の金鉱山生産量は、この6年間年、率平均+3%の増加となっている。四半期ベースで前年比マイナスとなったのは3四半期のみであった。2019年第1四半期は2013年以来多い+7%、+51トン増となった。主な増産国は豪州で、前年同期比+8%増の+81トンだった。豪州に次いで生産量が伸びた国は世界第4位の金生産国ロシアで、ロシアの金鉱山企業Polyus社のNatalka金鉱山が2018年の下半期から操業を開始した。ロシア資本の同鉱山は、この2年間資本投下をかなり増やし、主要鉱山の生産効率向上を図っていたため、低コストで高品位の生産を得ることができた。
 
 鉱山会社別では、米国のNewcrest鉱山の増加が最大で、中でもCadia HillとTelfer鉱山の増加が+8%増の19トンとなった。またカナダのKirkland Lake Gold社の米国テネシー州Fosterville鉱山も過去最高の生産量を記録し2018年の生産量の2倍となった。ここでは品位がトン中16.8グラムから29.0グラムに上昇している。カナダのBarrick Gold社の大西洋諸島Pueblo Viejo鉱山は生産効率が向上したため前年比+5%の生産増となっている。同社は英国Randgold社と合併した効果と、米国Newmont社とのネバダ州における合弁生産により生産戦略が変化し、より品位の高い地区の生産を開始し、またコアではない資産を分離することにより生産効率が上昇している。Barrick Gold社は第1四半期に前年同期比+30%増の43トンを生産している。同社は2019年年間では158トン~174トンを目標生産量としている。
 
 また、米国Newmont-Goldcorp社は第1四半期に前年同期比+2%増の38トンを生産した。この期間としては世界第二位の生産量だった。主な生産地域はガーナのAhafo金鉱山の一部であるSubika地区の地下鉱山であった。スリナムのMerian鉱山とペルーのYanacoccha鉱山もフル操業となり、高品位で高い生産性が確保されている。
 
 アジアは世界最大の生産地域で、世界の4分の1を占めているが、唯一の前年比での減少地域でもあり、▲2トン減少した。これは主にインドネシアのGrasberg金鉱山の減少によるもので、露天掘りから地下鉱脈に移行したため生産量が減少している。2018年第1四半期に▲18トン減少し、19年第1四半期は▲5トン減少した。ただ、同鉱山のGrasberg Block Cave(GBC)が第3四半期に稼働すれば生産は増加に転じると思われる。またインドネシアのBatu Hijau金鉱山では品位が低下し、3月末に生じた死亡事故の後で操業率が低下したこともあり、生産量が減少した。
  
 2019年上半期の金鉱山生産量は1,647トンになると思われ、前年比+4%増が見込まれている。年間ではおそらく+2%増の3,403トンになると思われる。オセアニア、アフリカ、北米が増加してインドネシアの影響でアジアが減少する。

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