下げを急にしている原油市場になにが起こっているのか

 最近の国際原油市況を取り巻く環境は複雑である。上昇要因としては、(1)OPECと非加盟国を加えたOPECプラスの協調減産をはじめに、(2)イランを中心とした中東地域の地政学的リスク、(3)その中でも特にホルムズ海峡封鎖による供給不安がある。さらに(4)米国の金融利下げ政策に伴う米国の景気浮揚とエネルギー消費の回復期待なども上昇要因の一つである。

 しかし一方、下落要因として、(1)米中貿易戦争に伴う世界的な景気後退懸念、(2)その中でも特に中国の景気減速とエネルギー消費の縮小、(3)シェールオイルの構造的な増産体制、(4)天然ガス相場の大幅続落による原油の連動安不安、などが挙げられる。

 このような状況の下で、国際指標のNY原油の中心限月は5日、6日と続落し、6日には一時53.43ドルをつけ、さらに7日になると一段と下げを速め中心限月は前日終値比2.54ドル安の51.09ドルで引けた。一時50.52ドルの安値をつけたが、これは6月中旬以来約1カ月半ぶりの安値。まだ下落の流れが止まない可能性があり、6月の安値50.6ドルを明日にも割り込みそうだ。

 このNY原油の動向はつまり、さまざまに絡み合った原油市場の強材料と弱材料が、ここにきて弱材料が勝ってきていることを意味している。さらに東京原油市場においては、前述のとおり円高という逆風にさらされている点も看過できない重要な要因である。

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