下げを急にしている原油市場になにが起こっているのか

 東京商品取引所の原油先物相場の先限価格(2020年1月限)は、8月8日の夜間取引で一時3万4280円の安値をつけた。この動きで先限は6月の安値を下回り年初来安値を更新して昨年12月以来の低位置まで後退した。今年の年初来高値が4月につけた4万9340円であることからして、この高値から1万5060円安、31%の下落率に及んだ。参考までに、東京原油先物市場の倍率は50倍である。

 東京原油相場が下落している原因は、国際指標であるNY原油相場(WTI)が軟調に推移していることにある。特に8月2日の東京原油は前日のNY市場の急落を反映し、全限が2000円を超える下げとなった。先限は前日終値から2480円も下落し一気に3万6000円台まで後退した。同日の東京原油の高値は4万0370円であるため、この日一日の取引で最大3510円も下落した計算となる。

 また最近の為替相場が大きく円高に振れていることも原油相場を下落させている二つ目の原因である。5日のドル円相場は円高が進み、先週末の東京市場終値から約1円10銭上昇し一時105円80銭まで上がった。1月に起きたフラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)で一時104円に突入して以来、7カ月ぶりの円高水準に達した。8月に入って米国の連邦制度準備理事会(FRB)が10年半ぶりの利下げを決定したことで日米の金利差が縮小したことが原因。また2日にトランプ大統領が対中関税第4弾の実施を表明し、米中貿易摩擦の激化が再び強く懸念されたことがドル安を招き、結果的にドル安円高となった部分もある。為替相場に関しては、この米中貿易摩擦の影響から人民元が対ドルで1ドル7元の防衛ラインを超えたこともアジア通貨安を招いているが、このような状況の中にあって円は独歩高の様相を帯びている。
 

 

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