地政学的リスクは疑いなく原油の支援要因になっている

 世界経済にとっては歓迎すべきことだが、国際エネルギー機関(IEA)から発せられる原油市場の現状分析とこれからの見通しは悲観的である。

 IEAによると、石油の世界消費はこれから減る一方で生産はますます増えるであろうとの見方を支持しており、この結果当然予想されることは石油の世界需給が供給過剰のアンバランスな状態を抱えたまま推移するというものである。

 IEAは今年の世界の石油需要見通しを引き下げる方向で調整している。米中貿易摩擦を受け、世界経済が減速していることが主因。昨年時点で今年の石油需要の伸びを150万b/dと予想していたが、それを今年6月に120万b/dに下方修正し、さらにこれから110万b/dへと一段と修正する方向だという。それにとどまらず中国経済が一段と弱くなるようなら見通しを一層引き下げる可能性があると警告した。

 これに対し世界の原油生産は来年にかけて増加する見通しであることを7月号の月報(Oil Market Report)で明らかにした。それによると2020年初めのOPEC原油生産は3000万b/dから2800万b/dに200万b/dほど減少するものの、非加盟国は逆に210万b/d増加するとした。この結果、今後9カ月で世界の石油在庫は増加するとの見方を示した。

 結論として、これからの原油価格は悲観的にならざるをえないとし、「主に米国のシェール革命のおかげで市場には潤沢な石油がある以上、価格高騰は見込まれない。イランやリビア、ベネズエラを巡る問題に関して、特にホルムズ海峡周辺をはじめとする中東地域の緊張の高まりを懸念しているが、現地の状況を注視し続けており、何らかの事態が起きれば迅速かつ断固たる行動に出る用意がある」との見解を示している。
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事