金価格に思うこと

 日本総合研究所の米国経済についてのレポート6月号を読むと、米国経済は数値的には好調だが、センチメント的には落ち込んでいたことがわかる。ただそれは、G20で米中首脳会談が開催される前の調査で、中国に3000億ドルの追加関税第4弾を引き下げる前の状況だったので、その後のセンチメントは変わっているかもしれない。

 また同レポートでは、6月の雇用統計が事前予想より良かったので、7月末のFOMCでは利下げはないかもしれないと書いてあり、利下げを9月と予想していた。それなら金価格は、利下げの成就により急落する恐れは、7月は無いなと思って、CMEのFED Watchを見てみたら、何のことはない、7月31日のFOMCで▲0.25%利下げされる確率は97%となっていた。どちらが正しいのかわからないが、そもそも利下げと金価格には過去の歴史では相関関係はない。

 また面白いことに米国の利下げがドル安になったかというと、過去にそうした例は見当たらなかった。為替取引をしていると、金利が低くなった通貨の方が安くなると思いがちだが、為替はそれほど単純ではないようだ。利下げはドル安という概念は、今回パウェル議長が利下げ発言をした時、確かにドル安となり、それが金高を産んだが今回限りのことであるようだ。今後またそうなるかもしれないし、そうならないかもしれないという極めてあいまいな推論である。

 世の中が不安になれば金価格は上がるというのは正しいと思う。今ならイランの地政学的リスクがそれである。すでにホルムズ海峡を航行する船舶の保険料や運賃は急騰しており、船会社が徐々にホルムズ海峡に行きたがらなくなり始めている。

 トランプ大統領は、イランを経済封鎖してオバマ政権で成立した核合意を破棄させ、ハメネイ師とトランプ大統領が歴史的会見を行い選挙戦の花とすることが目的と思われるが、イランは恫喝されて話し合いをするほどやわではないと思われる。

 着々と核兵器製造に近づき、イスラエルはイランをどうするのか、米軍はイランを攻撃するのか、イランはそれに対して世界中の武装勢力にどう呼びかけるのか、この問題は正に地政学的リスクだと私は思う。これは金や原油価格上昇の要因に十分成り得る。

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