「海の2020年問題」は今後の原油高につながるのか

 原油市場において目下の最大の焦点はOPEC総会の行方である。6月最終週に予定されていた会合は7月第一週に順延された。

 会合日程の開催日の変更などには関係なく、OPECに非加盟国を加えたOPECプラス会合では、協調減産を年内一杯まで延長するだろうとの見方が濃厚である。OPEC主要国のサウジ、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)はいずれも減産の維持を望んでいるためだ。他の産油国もこれら主要国の意向に追随することが想定されている。

 産油国が協調減産せざるを得ないのは、米中貿易摩擦の影響が大きく、世界の景気減速に対する懸念が底流し続けていることに原因を置く。景気減速とともに原油を含む世界のエネルギー消費は伸び悩んでいる。

 実際、国際エネルギー機関(IEA)の6月レポートは、今後の原油消費は少なくなると指摘するとともに、国際原油需給が緩和するとした。このような見方からすると、6月一杯までと約束されている協調減産などの手を打たなければ原油市況の軟化は避けられない見通しであり、原油生産国としてはマーケットにテコ入れせざるをえない事情がある。

 しかし協調減産が合意できない可能性も残る。非加盟国の最大産油国であるロシアの姿勢がこの期に及んではっきりしていないためだ。ロシア国内では原油生産のシェア低下につながる減産継続に慎重な声が少なくない様子で、減産に加わるかどうか態度を明確にしていない。

 仮に、ロシアが協調減産を否定することになろうことなら、60ドル付近まで戻り歩調となっているNY原油はあっさり50ドルを割り込むことにもなりかねない。あるいはロシア関係者(ノワク・エネルギー相)が指摘するとおり「協調減産ができなければ30ドルまで下がる」可能性もある。OPEC総会は合意の見込みが濃厚だが、その梯子が外された場合は急落するリスクを孕んでいる。
 
NY原油 週足
 

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