ベネズエラからアフリカに持ち込まれた7.4トンの金塊

 6月18日付ウォールストリートジャーナル紙によれば、3月に南米ベネズエラの首都カラカスからアフリカ東部ウガンダのエンテベ空港に2度にわたってロシアのチャーター便が、時価3億ドル7.4トンの金塊を輸送したという。この金塊はベネズエラ中央銀行が保有する外貨準備の一部であるが、マドゥーロ政権が運び出したものだ。米国をはじめ世界50カ国はマドゥーロ政権を認めておらず、国会議長のファン・グアイド氏を大統領としている。

 ウガンダ空港から金塊はAfrican Gold Refinery(AGR)に運び込まれた。同社は2014年、アフリカの金貿易商ベルギー人実業家、アラン・ゲッツ氏54歳が設立した金の精製設備であるが、金塊は一度精製されると、その起源をたどることは不可能となる。

 国連は、金がコンゴ東部の主要な民兵と軍の資金源になっていると述べている。AGRはコンゴの紛争地帯から密輸された金を処理していた。南スーダンやジンバブエからも同様である。その多くはウガンダ産の金として輸出された。

 マネーロンダリングを調査するウガンダ金融情報機関は、AGRを密貿易やマネーロンダリングで調査していると述べているが、詳細についてはコメントを控えた。AGRはおそらく金塊をすぐ再溶解して中近東諸国等に再輸出したと思われる。米国のGEやGM、スターバックス等もAGR社からこうした金塊を購入したことを2018年の決算書で述べている。

 米国では2010年に金融規制を目的としたドット・フランク法が成立したが、その一部条文で、コンゴ紛争に資金の供給している原材料(コンゴ産の原材料等)を使用することを禁じた条文があった。しかし、この法律には、これらの原材料を購入することは違法としておらず、ましてや、ウガンダ産の金の購入であれば、コンゴ紛争と関連付けられないので、違法としていない。

 AGRは、2018年に米国の237の上場企業に、サプライチェーンとして名前が登場している。AGRは操業以来38トン以上の金塊を処理して輸出してきた。ウガンダではほとんど採掘されない金塊の輸出額は同国の主力輸出品コーヒーの輸出額を上回っている。ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領もAGRはウガンダ経済に役に立っていると述べている。

 今回の金塊輸送を含め、2017年後半から2019年2月1日の間に、ベネズエラ中央銀行は少なくとも73.3トンの金を、時価総額約30億ドルでアラブ首長国連邦とトルコの企業に売却したと同国国会の財務委員会は公表している。
 

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