原油市場は中東周辺に潜む地政学的リスクの呪縛から逃れられない

 ここ最近になって、中東の周辺地域のきな臭さが増している。米国のイランに対する経済制裁に端を発し、イランによるホルムズ海峡の封鎖のリスクが潜在化している中、まだ火種は小さいが心配されていた有事らしき事件が起こっている。足元は米政権が仕掛けた米中貿易摩擦の影響による双方の景気減速に伴うエネルギー消費の鈍化が弱材料となり、しばらくは原油相場の展開は上値重くなりそうだが、この材料の折り込みがほどなく終われば、中東地域の地政学的リスクを積極的に意識する展開となるのではあるまいか。

 サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相は14日に起こった事件として、中部地域にある石油パイプライン施設が爆発物を積んだ無人機ドローンの攻撃を受けたことを明らかにした。攻撃されたのは東西を横断するパイプラインで中部リヤド県にある国営石油会社サウジアラムコのポンプ施設2カ所。うち1カ所では火災が起きた模様。犯人と目されているのはイランの支援を受けていると考えられているイスラム教シーア派武装組織「フーシ」。今回被害に合ったパイプラインは、ペルシャ湾の近くにある油田から西の紅海沿岸の港まで原油を運ぶもので、このパイプによってホルムズ海峡を通らずに輸出することができる重要な施設だと伝えられている。

 サウジはその2日前の12日に原油タンカーが何者かの破壊行為で損傷したと発表したばかり。この事件を巡り、米国はイランや傘下の武装勢力が爆発物を使ってタンカーに攻撃した可能性があると報道している。サウジアラビア外務省は、この事件を犯罪行為とし、「海上交通の安全と安心に深刻な脅威をもたらすもので中東地域ならびに国際的な平和と安全にマイナスの影響を与える」と警告した。ただしイラン側は関与を否定している。
 

 

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