米国絡みの要因で揺れる国際原油マーケット

 国際原油価格の指標であるNY原油(WTI:ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、4月22日の直近高値66.6ドルを天井として反落の歩調となっている。今週明けの5月6日には一時60.04ドルまで水準を切り下げ、心理的な節目である60ドル割れ寸前まで値下がりした。

 この6日のNY原油は最終的に終値ベースで0.31ドル高と陽線引けしたものの一時60ドル飛び台まで後退した。それは多分に貿易戦争の激化に伴う米国と中国の景気後退懸念再燃に原因を置くことに他ならない。いったんは沈静化すると目された貿易摩擦がまた過熱すれば、中国を中心とした原油の大手ユーザーらの消費に影響が出てくるのは避けられない。

 周知のとおり、米トランプ政権は、中国が貿易協議の過程で約束を破ったと非難し、10日から関税を引き上げる方針を示した。中国側が先週末の交渉でこれまでの約束を破り合意文書の大幅な変更を求めてきたことで、中国からの2000億ドル(約22兆円)分の輸入品に課す追加関税を現行の10%から25%に引き上げる方針を示した。

 この影響で7日の米国株式市場は大幅安を強いられた。ダウ平均株価は一時600ドル以上値下がりし終値で2万6000ドルの水準を下回ったほか、ナスダック総合指数も8000ポイントの大台を割り込んだ。米中貿易摩擦の激化を巡る懸念からリスク選好が後退した形である。これは株式マーケットにとどまらず原油を含むコモディティ市場も同じ様となっている。

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は6日に米中貿易戦争は「世界全体への悪影響」との認識を示している。同氏は株価動向は当然の反応とし貿易戦争に突入すれば世界全体に悪影響をもたらし、保有するすべての資産への悪影響になり得ると語った。

 事実、「恐怖指数」と呼ばれるシカゴ・オプション取引所のVIX指数は、発言があった7日に一時21.13ポイントと、3カ月超ぶりの水準まで上昇した。しかも、このVIX指数は今後一段と上昇するのではないかとの不安がある。米商品先物取引委員会の最新データによると、ヘッジファンドを中心とした投機筋のVIX指数のショートポジションは4月末現在で約17万8000枚と、過去15年で最大に積み上げっているためだ。
 

 

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