ホルムズ海峡封鎖のリスクで上昇の勢い強める原油市況

 特にイランによるホルムズ海峡の封鎖は、その可能性は薄いとはいえゼロとは言い切れない。このリスクをマーケットが意識しはじめていることが、最近の原油高の最大の原動力となっているとも考えられる。

 事実、イランのファルス通信によると、同国の最高指導者ハメネイ師直轄の精鋭軍事組織であるイラン革命防衛隊のタングシリ海軍司令官は今週、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の「封鎖」に触れる発言をした。イランは今後、原油の輸出が一層困難になることが確実であるため、「米国の禁輸措置により、もし我々が海峡使用を妨げられたら、封鎖に踏み切る」と述べている。

 イランによる海峡封鎖については、米国の強い経済制裁に対して昨年8月にも、「いざとなれば世界の原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡を封鎖する」と警告した経緯がある。またアフマディネジャド大統領時代である2005~13年にも欧米の経済制裁に反発し、海峡封鎖を数度にわたって警告したことがある。

 足元の海峡封鎖について現実味が増している一因は、革命防衛隊のジャファリ司令官が退任し、新司令官に対外強硬派の筆頭である副司令官のサラミ氏が任命されたことにある。今年の年明け早々に同氏は、「シオニスト集団であるイスラエルを地図から消し去る」と発言。今後、イラン関係者の過激な言動が過熱するとイランと米国、イランとイスラエルとの緊張が急速に高まる可能性がある。

 米国務省高官は、イランによるホルムズ海峡封鎖の警告を受け「エネルギー資源や交易の自由な供給と航行の自由を尊重するようイランとすべての国に求める」と述べているが、この要望が聞き入れなれなかった場合、バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊は同地域の商用船舶を保護する任務を負っているため、封鎖の懸念が強まることで軍事的な動きに対する懸念を誘い、原油の供給不安が煽られる危険性がある。
 

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