ホルムズ海峡封鎖のリスクで上昇の勢い強める原油市況

 4月に入ってから動きに一服が入ったNY原油は、22日に大きく上昇すると23日も一段上げとなり一時66.6ドルまで上げ、年初来の高値を更新するとともに昨年10月以来6カ月ぶりの高値をつけた。この時点において、昨年12月の安値42.36ドルを起点として24.24ドル、57%の上昇率を記録した。

 足元の原油相場の上昇の原因について、各メディアは同じ口調でイラン産原油の全面禁輸を米政権が流布したことにあると報じている。参考までに米政府は禁輸対象から中国やインドなど8カ国・地域を除外した措置を、5月以降更新しないと決め、イランへの圧力を明確に高めた。

 この事態を受け、ゴールドマン・サックスとバークレイズの両者は、米国の禁輸措置により5月以降はイラン産原油の輸出が急激に減り、世界の原油市場は短期的にタイト化するとの分析を明らかにしている。

 ただしこの米国の措置に対してイラン産原油輸入に強く依存している中国やインドが追随するかどうかは不透明であり、実際にイランが原油の輸出先を完全に失うのかどうかはわからない。

 最近の原油マーケットが一連のイラン産原油を巡る供給不安に過剰反応を示すのは、さらに先にあることを意識しているのかもしれない。その先にあることとは、具体的には、イラン指導部が自暴自棄となって重要な石油輸送ルートであるホルムズ海峡を封鎖したり、あるいは米国やその同盟国でのテロなど、伝統的な敵対行為に出る可能性である。

 このホルムズ海峡は、イランのほか、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など主要産油国が臨むペルシャ湾と、アラビア海を結ぶ海上交易の要衝。毎日1700万バレルの石油をタンカーが運び、日本に来る石油タンカーも全体の約8割、年間3400隻がこの海峡を通過している。
 

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