金と税金② 日本では脱税ができなくなったのか

 筆者が商社マン時代に純金積立の責任者をやっていた頃は、金の売買についての報告を税務署に対して行ったことはなかった。だから、ある人が毎月50万円も純金積立をしており、預けていた金を売却した時、かなり大きな利益が出た。

 純金積立はドルコスト平均法なので、積立期間の金の平均価格が購入単価となる。その人は売却により相当な利益が出たが、当時の商社は金売却の記録を税務署に報告していなかったため、その所得は本人が確定申告しなければ課税されないという税金の抜け道となっていた。

 しかし、海外で消費税のかからない金を購入して日本で売却すると、消費税分8%の利益が出るということから、金の密輸入が多くなり、それを取り締まるために入国時の税関ばかりでなく、そうした金の売却先である市中の貴金属商や貴金属買い取り専門店や商社は、支払い調書を税務署に提出せねばならなくなった。したがって現在ではこうした金売却による収益は、50万円の特別控除を除いて申告しなければならなくなっている。

 5年以上保有していたという長期保有と5年未満の短期保有があり、5年超の場合は譲渡所得が半分になる。税金は他の所得と合算して総合課税される。こうした税務申告のために、金を買ったときはその購入した金額を証する書類を取っておく必要がある。そうした書類が無い場合は過去5年の平均価格などと、みなし課税がされるため税額が高くなることがある。

 金の延べ棒を隠して海外に行って売却するなどの方法で税金を逃れている人もいると聞くが、小規模ならともかく、大口では難しいだろう。秋には消費税が8%から10%になる。8%の時に金を買って10%時に売り、差額の2%を利益化するという手口も今では税務署の知るところとなっているものと思われる。
 

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