上げが先行して材料が後からついてくる展開の原油相場

 原油価格の国際指標であるNY原油は3月18日に一時59.23ドルまで上昇し60ドルの心理的節目に接近した。昨年12月の安値42.36ドルからは16.87ドル上げて上昇率は4割に達した。

 最近の原油相場が上昇している理由について、OPECプラスによる協調減産が実行されていることに加え、その協調減産の延長の思惑を背景に強気なマーケット情勢となっている。OPEC加盟国とロシアなど非加盟らの主要産油国は、今年1月から6月までの半年間、互いに協力し合って合計で日量120万バレのル減産を実施することになっている。

 その協調減産も今年6月で期限を迎えるため、今週18日にOPEC加盟国と非加盟の大手産油国はアゼルバイジャンで会合を開き協調減産の延長を協議した。参加国の姿勢は分かれたと伝えられているが、サウジのエネルギー産業鉱物資源相が「減産の方針を変えない」との姿勢を示したようである。加えて、4月17-18日に開催予定だった臨時総会を見送り、代わりに6月25-26日の定時総会で減産を延長するかどうかを決定することを発表した。このような産油国の姿勢がマーケットで評価されて相場の上昇が促されている。

 しかし、石油の消費はどうかといえば依然として状況は良くない。これまで中国の景気減速による石油消費量の減退懸念が台頭していたが、ここにきて中国だけでなく欧州の急速な景気減速の懸念が広がっている。さらにまた世界最大のエネルギー需要国であるアメリカの景気の先行きにも暗雲が漂いつつある。

 欧州に関しては英国のEU脱退問題であるブレクジットが横たわっている。離脱の最終期限とされている3月29日に交渉決裂のまま合意なしのままで離脱するという最悪の可能性もまだ残されており、欧州全体の経済面での地政学的リスクとして危惧されている。

 米国も景気減速とともに今年第1四半期のGDP成長率はゼロ成長にとどまるか、あるいは一部でマイナス成長に転落するのではないかとの観測が台頭していることは同様に石油需要面で不安要因である。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事