石油市場を取り巻く悪材料の折り込みは完了したのか

 原油市場を取り巻く需給環境は、OPEC加盟国と非加盟国の協調減産など供給の面で一部改善されている面はあるものの、消費の部分でのマイナス要因が底流したままであり、緩和の状態が解消に向かうにはまだ時間を必要としそうな状況下にある。

 最大の需給緩和要因は中国の景気減速による同国のエネルギー消費の減退懸念である。しかもここにきて中国に続き米国の景気に対する見方も悲観的となってきている。これらの、世界一位、二位の石油消費大国の経済状況が芳しくないため、世界原油需給はなお悪化の方向にあると考えざるをえない。

 まず中国だが、同国の国家統計局がまとめた2月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.2と、前月の49.5から0.3低下した。活動拡大・縮小の節目となる50割れは3カ月連続を記録するとともに2016年2月以来3年ぶりの低水準となった。国内外の需要低迷が引き続き経済に打撃を与えていることが示された。輸出受注の落ち込みが2008年の世界金融危機以降で最大となったことが響いた。

 次に米国の経済状況だが、昨年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で2.6%となり市場予想を上回った。企業の設備投資が加速し前四半期からの景気減速は想定より小幅にとどまった。しかし18年第3四半期が3.4%だったことからすると0.8%も低下したことになる。また19年第1四半期は、米政権の1兆5000億ドル規模の減税政策や財政出動の効果が薄れることに加えて、世界経済の需要が減っているほかに英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感が漂っていることから、顕著に落ち込むのではないかとの見方が誘われている。

 事実、米アトランタ連銀がリアルタイムに米経済成長を予測することを目的として独自に公表している「GDPナウ」によると、2月1日時点での2019年第1四半期の米GDPは前期比年率で、0.3%増と示された。前年第4四半期が前述のとおり2.6%増だったことからするとGDPナウは急激な景気鈍化を示唆する数字だといえる。
 

 

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