金の価格は需要で動いている

 価格は需給によって決まるというのは、すべての価格に当てはまる。いわゆる需要曲線と供給曲線の交わる点が価格となる。需要も供給も瞬時に変化しているため、その交点はランダムに動き回る。ほとんどの市場では、投資対象についての需要量と供給量を測ることはできない。例えば株式市場の場合、ある銘柄の株を買いたい人が何人いて、売りたい人が何人いるかというデータは市場が閉まった後では把握できるかもしれないが、市場が開いている場合は瞬時に売り手と買い手が変わるので把握できない。指値による板状況はコンピューター上で変化しているが、成り行きが突然入ってくればそれの出現を知る術は無いし、そもそも、ソニーの株を何人の人が買いたいと思っているかなどという情報はどこにもないと思う。

 商品の場合は、長い目では需要と供給を測ることは可能である。原油の生産量と需要量は日夜大きく変わるわけではないので、OPECが減産を始めるとか、今週の米国の石油掘削リグ数は何本増えた、原油在庫が減った等というデータは毎週公表されており、需要量も石油精製設備の稼働率や、末端のガソリンの売れ行きなど、タイムラグはあるものの入手可能である。それが、筆者が商品価格の予測の方が株価や為替の予測よりはるかに簡単であるという所以である。

 さて、今日のTOCOM SQUAR TVで述べたことで(TOCOM SQUARE TVで検索すればいつでも無料で動画を見られる)また本日の株式会社コモディティーインテリジェンスの週刊ゴールドで書いたことだが、金の需給と価格の関係を述べてみる。

 World Gold Councilは3か月ごとに世界の金の需給レポートを発行している。またデータはサイトからExcelでダウンロードできる。これを細かく分析したグラフを上記の録画やレポートに書いているが、金の価格と金の需要の相関係数は0.86であり、強い正の相関となっている。問題は金の需要が伸びているときに金価格は上昇しているが、金の需要の公表は3か月遅れであるということである。会社四季報と株価よりはまだましかもしれないが、金の現在の需要の伸びが価格を上げるわけだから、今世界の金需要が伸びているのか落ちているのかを推測する以外に価格を予測することはできない。したがって金の需要に関しては、GFMS等多くのアナリストがブログ等で紹介している記事を読むことになる。これらを総合して価格を予測するしかない。季節要因としては世界最大の金需要国中国は12月から2月にかけて需要がピークとなる。2月の春節で金が売れ、その宝飾品を造る材料は12月までに仕入れるためだ。一方インドは秋が金の需要期となる。こうしたことのデータは本日のレポートで載せているのでご覧いただきたい。

 金の価格は、一般的に需要とは関係なく動くと思われているが、商品としての金は、やはり需要が増えれば価格が上がり、需要が落ちれば価格は下がるという事実があることも本日のレポートにデータやグラフで示している。

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