弱気な需要だけでなく米国の原油生産増加もポイント

 NY原油の中心限月は今年に入り1月9日までの上昇で心理的な節目である50ドルを突破した。しかしその後1月下旬に至る直近まで53~54ドル台での横ばい推移となっており、目立った値動きはなく精彩を欠いている。

 原油価格の値動きが大人しくなっているのは刺激的な材料に欠けているためだ。昨年来の需給ファンダメンタルズの偏りは相場の上値を限定的にさせているが、今の値位置から大きく相場が下落する公算も薄いため、足元の値位置が適正だとの見方が広く支持されていることが硬直化につながっている。

 需給において、最大の押し下げ要因は中国の景気減速に伴う同国のエネルギー消費量の減少見通しであり、逆に支援材料はシェールオイルの産油量の縮小見通しである。ただし後者においては米石油大手の見解であるため信憑性に欠ける部分がある。

 米石油大手は、23日に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、米国内シェールオイル産出量の伸びが鈍化する見通しであると言及した。テキサス州西部とニューメキシコ州との間にあるパーミアン地区は米国内最大のシェールオイル産地であるが、この地域の拡張開発が縮小する見通しであるとともに将来的な生産量は横ばいになる見通しだとした。

 NY原油市場の内部要因が公表されていないことも原油マーケットに様子見気分を誘っている。昨年2018年12月22日から米国連邦政府機関の一部が閉鎖されているが、この影響により米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告は昨年12月18日を最後として未公表のままである。

 なおトランプ米大統領は1月25日、政府機関の一部閉鎖問題を巡り2月15日まで3週間の暫定予算(つなぎ予算)案に署名。予算案は成立し、政府閉鎖は一時的に解除された。このためCFTCは建玉報告の公表を2月1日に再開すると発表した。政府機関が再び閉鎖されなければ3月8日から通常のスケジュールでの公表に戻る見通しとなっている。
 

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