「2019年展望」

 東アジア情勢が大きく変化し、投資機会が増える可能性があるのに対して、欧州・中東は不安定化が増しそうだ。春先には、イラン再制裁(180日間の猶予期限明け)が控える。華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFOが逮捕された件も、背景にはイラン制裁が絡んでいる。米国は北朝鮮と異なり、イランに対しては、イスラエルの意向もあり、強い姿勢で臨むだろう。イスラエル連立政権が議会の過半数を割る事態に陥り、汚職疑惑を抱えるネタニヤフ首相は議会を解散し、11月予定を前倒しして、4月上旬に総選挙を行う。内政の不満を外に向けさせるために、イランへの圧力を高める可能性には注意したい。これは、サウジも同様の構図となっており、米・イスラエル・サウジVSイランと言ったこれまでにはない構図での対立激化も予想される。

 トランプ大統領も、ねじれ議会の中で、下院による大統領への調査・召喚攻勢に直面するリスクが波乱要因。既に、政府機関の一部閉鎖が過去最長で続く中、トランプ大統領は、王岐山副主席との対談も期待された22日からスイスで始まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)への出席は取りやめとなり、米民主党のナンシー・ペロシ下院議長は、政府機関の一部閉鎖により警備に支障が出る可能性に言及し、トランプ大統領に対し、1月29日に予定されている一般教書演説の延期を提案。泥沼化している状況だ。

 トランプ大統領は、「国家非常事態を宣言できる絶対的な権限がある」との見解を繰り返し、「権限行使の準備はできていないが、必要なら実行する」と明言している。

 米ホワイトハウスは、非常事態を宣言するための条件の構築を開始したと報じられている。陸軍工兵隊には、自然災害が発生した場合の支出に関する法案に基づいて割り当てられた139億ドルがあるが、2018年は使用されていない。非常事態が宣言された場合、この資金は、米国とメキシコの国境に壁を建設するために使用される可能性がある。

 2020年米大統領選挙に向けた戦いは既に始まっている。

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