「2019年展望」

 米国で景気後退の予兆とされる長短金利逆転が迫っている。過去の例では、イールドカーブの逆転から、しばらくしてリセッション(景気後退局面)入りとなっている。2018年12月には、3年債の利回りが5年債利回りを11年ぶりに上回り、米2年債と10年債の利回り差も2007年7月以来の水準まで縮小した事で、NY株価が売られたが、3年債と5年債の利回りよりも、多くの市場参加者が見ている2年債と10年債の利回り逆転の方が、市場は大きい反応を見せるだろう。

 キーワード「覇権戦争・国際秩序の再構築」だが、自動車、家電など貿易不均衡が主題であった日米貿易摩擦(1980年代)と異なり、米中の貿易戦争は、米国の覇権維持、安全保障問題に直結している。貿易問題は当初、中間選挙目当ての短期的なものとの見方も多かったが、2018年10月4日のペンス演説(ハドソン研究所)によって、「新冷戦の始まり」との捉え方が一般的になってきた。覇権を巡る米国の国家戦略と言う位置付けなら、長期戦を見据える必要がある。

 現段階で、関税合戦でも武力衝突でも中国に勝ち目はなく、中国としては対米貿易戦争を一旦休戦する方向へ軸を移行する。鄧小平の唱えた「韜光養晦」(能ある鷹は爪を隠す)へ戻り、臥竜として力を蓄えて行くスタンスを採ると想定される。トランプ大統領のブレーンにはキッシンジャー元国務長官がいるが、彼は忍者外交で米中を友好国にさせてベトナム戦争を終結させた。親中派とも言われるキッシンジャー氏は「緩やかな覇権移行で米国のダメージ軽減」を望んでいると言われる。覇権移行の時間稼ぎ策が採られるだろう。米中貿易戦争は双方のメンツが立つ格好で妥協案が採られると思われる。NY金との相関の高い人民元は、中国側が米政権の批判開始のために元安抑制措置に動いている。

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