原油は米利下げ見通しで短期的に強気だが上値は限界か

 FRBの利上げが回避されることになれば、米国の景気が下支えされて株高、商品高、原油高の流れへと陽転することが予測できる。金利商品から投資資金が株式や商品市場へとシフトする動きが鮮明となった場合、昨年10月以降からの悪い流れが断ち切れ、金融市場全体に楽観的な見方が戻る可能性がある。

 この状況の下で産油国の減産方針も追い風となっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが7日に伝えたところによると、「サウジアラビアは1月末までに日量710万バレル程度まで原油輸出を減らす計画を立てている」と報じた。同国は財政出動の資金を確保するため原油価格をバレル80ドルまで押し上げる狙いだという。

 その一方で、悲観的な見方も底流したままだ。ゴールドマンサックスは景気の先行き不透明感が重荷になることから、2019年の原油の価格見通しを下方修正した。

 また世界銀行も今年の原油の平均価格見通しを67ドルとし、昨年6月時点の見通しから2ドル下方修正した。

 この背景にはゴールドマンサックスと同様、世界経済に対する悲観的な要素が潜在化している点がある。世界銀行は2019年の経済成長見通しを1.5%とし前年から0.1%減速するとの見方を示している。

 今年の地域としての経済成長は、ロシアで付加価値税(VAT)の引き上げが実施され、カザフスタンでは原油生産の減少などが想定されるなど、減速するとの見方を示した。また経済発展を阻害するリスクとしては、中央アジア諸国で想定される外貨建て債務などの増加による金融面の脆弱性、ウクライナなどで想定される構造改革の停滞・逆行、トルコ経済の混乱・減速の波及などを挙げている。

 従って、原油価格は当面も悲観的な見方が後退することによって堅調な地合いを引き継ぐ可能性があるものの、その流れが長期化することはなく、いずれかの時期に再び上値重い展開となりそうだ。
 

 

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