「産油国の容赦ない生産の増加が消費の伸びを圧倒」とIEAは指摘

 原油市場におけるファンドの買い建てが急速に減っていることから、買いから売りを差し引いたネットの買い越しの枚数が急激に減少している。米国原油市場であるWTIの12月4日現在は買いが50万5292枚、売りが17万5146枚で差し引きはほぼ33万枚の買い越しで、昨年7月以来1年5カ月ぶりの低水準を記録。しかも今年2月の最大時(史上最高)の74万枚からは41万枚、55%もの大幅なマイナスとなった。

 基本的に、世界的な原油需給が急速に緩和する方向にあるとの認識が強まっていることにより、既存買い方であるヘッジファンドやコモディティファンドが買い建てを手仕舞い、それに伴い相場が暗転しているため、さらに相場が下落するのではないかとの思惑が広がって手仕舞いの流れが一段と加速していることが背景にある。

 この建玉の推移について、どう受け止めるのかによって今後の相場の見通しについても明暗が分かれるところである。「まだ30万枚も買い建てが残っている」と考えるのであれば相場の予測は悲観的にならざるをえないし、この逆に、「ようやく30万枚まで買い越しが整理された」と考えるのであれば相場の予測は楽観的になろう。

 参考までに、原油相場より先に下落の傾向を強めていたNY金市場では、今年8月の時点においてトルコリラ急落の影響などからファンドの売りが膨らみ、買いから売りを差し引いた建玉が、買い越しから売り越しへと逆転した。約18年ぶりのことである。

 従って、一時70万枚を超えていたファンドのネットの買いが33万枚まで減ったことはまだ通過点との考え方もできる。金市場がそうなったように原油市場においても買い越しから売り越しへと逆転する可能性はゼロとはいえず、今後なお買い越しが減る流れが続くことは十分考えられる。
 

 

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