タイ政府が農民救援に動く

 東京ゴムRSS3号先限は11月21日の151円から反発、12月3日には一気に168円まで吹き上げた。12月3日の吹き上げは承知の通り、米中貿易戦争が一時休戦、90日の猶予が与えられたからだ。ただ、その後、再び米中貿易戦争の不透明感が高まってニューヨークダウが800ドルも下落、更には中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕をキッカケに米中関係が一段と悪化するとの懸念から先週6日のニューヨークダウは一時780ドル安と暴落、アジア株も全面安になった。

 しかも、6日はOPEC(石油輸出国機構)が減産で合意したものの、減産幅でロシアと話し合いがつかず、具体的な減産幅が決まらず正式発表は見送られた。このため、ニューヨーク原油期近は50ドルそこそこまで下落するなど、外部環境が悪化していることは否定出来ない。

 ところが、先週7日の東京ゴムRSS3号は冷静で小幅安にとどまり、その後は安値から戻りを見せるなど、予想以上の強さを示した。これは、来年1月以降ざっと6,000トン、1,200枚の現物が供用から除外され、供用品在庫が少なくなること、一方でタイ政府が農民に対して救援金を支給、輸出業者からも原料ゴム、RSSなどを買い上げるなど、ゴム市場のテコ入れ策が発表されたからだ。

 現地11月29日付のターンセタキット新聞は、『新年の贈り物としてタイ政府がゴムの内需拡大に千数百億バーツの予算投入』との見出しで次のように報じている。

 クリッサダー・ブンラート農業・協同組合大臣が会見で、自身が会長を務める天然ゴム政策委員会の会合が開かれ、議決された4つの対策を来週の内閣決議に提出することを明らかにした。

①2018~2019年にかけてゴム栽培農家の生活面を救援する。2018年11月14日以前に公益法人タイゴム機構に登録した農園で約99万世帯、及びタッピング作業請負人約30万世帯で合計130万世帯。面積約940万ライ(1ライ=0.6ヘクタールで換算)になる。救援金は一世帯当たり15ライを上限とし、1ライ当たり1,800バーツを支給。タッピング作業請負人に700バーツを支給。

②全国各地の地方自治体に協力を要請し、各自治体の道路工事のセメント混合にゴム液の活用を促し、全国約7万5,032村で合わせて7万5,032キロの道路工事にゴムを使用する。

③タイ農業・協同組合省協同組合振興局の支援により、全国の農協のうち現在約8農協がゴム栽培の組合員からゴムの購入、流通、輸出事業を手がけている。今後は協同組合振興局が全国各地で潜在的な加工、輸出能力がある農協を選抜し、農協によるゴム加工事業参入を推進。タイ農業協同組合銀行融資枠約50億バーツの予算を投入する。

④タイ農業・協同組合省農業普及局、農業局並びに公益法人タイゴム機構で構成される特別ワーキンググループを創設し、全国各地のゴム栽培農業の転作を促進させる。ゴム栽培農家のゴム価格低迷によるリスク軽減、多面的収入源による生活面の安定を目指す。以上、4つの対策実施に新たな予算投入も含み、総額千億バーツの予算投入が見込まれる。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事