直近の金価格は下落含み

 アルゼンチンにおける先週末の米中首脳会談で米中貿易摩擦の危機は緩和した。これを受けて米国株価が上昇したことは納得できるが、金価格も大幅に上昇したのは驚きであった。市場がリスクオンになれば金は売られるはずである。

 更に12月18日~19日の米連邦準備制度理事会におけるFOMCでは、金利が0.25%上昇することは市場のコンセンサスであり、ほぼ確実と思われている。利上げが打ち止めになるのは来年半ばのことで今騒ぐことではない。それゆえに、12月3日のNY金価格の+13.6ドル高は、今後反落する可能性が高いと思っている。

 ところで、トランプ大統領が、関税を25%にしなかった気持ちの変化は、彼の見通しの甘さに起因している。それはGMが米国内3工場を閉鎖すると公表したためだ。米中間選挙戦を控えた4月、トランプ大統領は製造業が盛んなミシガン州で開いた集会で演説し、自動車産業を復活させたのはひとえに自分の努力の結果だと語り、聴衆から拍手喝采を浴びた。しかし、GMがミシガン州の2工場とオハイオ州、メリーランド州およびカナダの工場の閉鎖を発表した26日、その開けっ広げの自己評価は大きく失墜した。

 GMの決定を受けてトランプ氏が矢継ぎ早に非難めいたコメントを発信したのは、ミシガン州とオハイオ州が2020年の大統領選で激戦区となる重要州だからだ。自動車産業を復活させるというトランプ大統領の公約は、米中西部で大いに受け入れられた。4月に政治集会を開いたミシガン州南東部のGM工場の従業員らはトランプ陣営を僅差での勝利に導いた。こうした大切な州においてGMが工場を閉鎖すると決断し、その理由が関税引き上げ競争にあるということに、トランプ大統領は唖然としたことであろう。

 こうした事実が彼の保護主義政策を変えていくだろうが、それには時間と手間がかかるものと思われる。
 

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