原油相場を俯瞰すると大局的なトレンドは下向き

 WTIの上値抵抗線は、過去最高値である2008年の147.27ドルを起点として、2013年の高値112.24ドル、2014年の高値107.73ドルの3点を接点とした右肩下がりのラインである。これは掲載されたチャートの赤い上段ラインに示されている。今年10月までの相場上昇で一時76.9ドルまで上げたものの、結果的にこの上値抵抗線を上抜くには至らなかった。逆に、上抜くことができなかったことにより抵抗線が確実に、かつ強く存在していることを証明する形となった。

 一方、2009年1月の安値33.20ドルと2016年の安値26.05ドルを結んだ線が下値支持線であるが、長期的なタームではいずれかの将来において、この下値支持線と接点となるポイントまでWTI原油が再び下落する可能性がある。具体的には、このまま2年ほど下降傾斜が続くのだと仮定するなら、相場は再び30ドルを割り込む可能性があることを含んでいる。

 実際、26.05ドルの安値を起点とした上昇波動は、76.9ドルの高値を天井とした下降波動へと変化しただけでなく、下値支持線を割り込んだことで、短期・中期波動においてもトレンドは壊れてしまった。

 ここまでのテクニカル上での分析が正しいとするなら、急激に緩和したと考えられる国際原油需給は、そう簡単には修復することができず、供給過剰の状態が近い将来も継続すると考えられるだけでなく、一段と悪化するであろうとの予見も成り立つ。つまりサウジアラビアやロシアといった世界の大手産油国は、減産し合いながら原油価格の調整を平和的に進めてきた時代から、新参国であるアメリカを含め、いずれの国もが増産することで外貨を稼ぐ戦国の時代に入るのではないかとの見通しも誘う。
 

 

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