市場とは何か その22

 損切りの話しはどなたもご存じであろうが、理論的にどういうことかと言うと以下となる。

 投資は価格が上がるか下がるかを予測するものだとすると、その当たる確率は2分の1であり、

 長期的に投資を行った場合の収益は限りなくゼロマイナス手数料ということになり、結局数多く売買を繰り返すと手数料分だけどうしてもマイナスになる。

 それでは投資するだけ無駄ではないかと言われると、確率的にはその通りであるが、パチンコやカジノが流行るのは他の誰かが損をした分を、自分が取ることができるという場合もあるためだ。

 カジノの経営としては誰が損をして誰が儲けようが関係のない話で、トータルで場所代が稼げればそれでよい。

 ちなみに、筆者はマカオに多くの顧客を連れてギャンブルを行った。ほとんどの日本人はルーレットをやりたがる。ある日、客をマカオのカジノ付きのホテルに送り込んで、客が着替える間、下のカジノで、独りでルーレットをやっていた。その台の客は私独りであったため、ディーラーが手招きしてチップを貸せという。言われた通りにチップを渡すと盛んにテーブルに張り始めた。するともう一人のディーラーが彼はここからここまでの間にチップを張ったとルーレットのホイールの一角を示した。そしてボールを投げ入れると100発100中で、そのポケットにボールを落とすことができた。ディーラーは毎日ボールを投げる練習をしているのでどこでもボールを狙ったポケットに落とすことは簡単であることを間近に見てしまった。問題は、ディーラーは常に狙っているわけではなく、ここぞという時だけ穴場を狙ってくるので、そこが厄介なところである。なお、ラスベガスではディーラーがボールを落とした後でも賭けることができる。

 さて、話が横道にそれたが、上がるか下がるかを当てる二者択一を長期間行った場合の損益は下のグラフのようになる。長く取引すれば収益は確率的には±ゼロになる。(厳密にいえば手数料分だけ持ち出しとなる)そこで、マイナス分を損切りで一定の大きさに止めてしまえば、収益から損切りした場合の損失を差し引いた収益が残るということになる。

 ファンドマネージャーを雇う場合、応募者は、必ず過去の優秀なパフォーマンスを示すトラックレコードや表を持参してくる。その中から第一条件として選別される人は、『最大ドローダウンが小さい人』である。つまり、トラックレコードの中で大きな損失が一回でもあれば、たとえトータルでプラスであっても、ファンドマネージャーとしては不適格である。大きな損失を一度でも出せば取り返すことは難しいし、それを取り返そうとすれば、蟻地獄の罠にはまってしまう。

 つまり、投資家のイロハのイは損切をしていることである。釈迦に説法であったか?
 

 

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