金投資の四つの理由

 World Gold Councilがまとめた中国の機関投資家による金投資に関するレポートでは、中国の機関投資家は株価が下落し、社債等の債券も下落しており、人民元も安くなっているため、運用先に困っているという。そうした機関投資家は、金に資産の一部を割り当てているが、その理由を四つ挙げている。

 一つは、金価格が他の資産との相関性を持たずに動くことで、金は社債、金融債、政府債、MMF、株価指数などと全く無相関な動きをする。

 二つ目は代替通貨としての金の役割を重視しているという。2007年の世界金融不安以降各国中央銀行は紙幣発行量を激増させ、紙幣を印刷することで株価を吊り上げてきた。そのため、金を中心とするドル、ユーロ、人民元はいずれも金に対して価値が下がっているという。資産を運用する場合、その収益性もさることながら、どの通貨で保有するかということも重要な投資の要件である。

 三番目に金が信用リスクとは無縁だということだ。紙幣と同様、債券にしろ、株式にしろ、発行体の信用不安が高くなれば、資産価値は下落する。金は金そのものの価値である。

 四つ目の要素は金の流動性の高さである。金の取引高は株式や債券の出来高を上回っており、いつでもどこでも必ず換金できる保証付きである。中国の場合、金商と言われる現物商だけでなく、銀行も、上海黄金交易所(現物取引所)でも、上海期貨交易所(先物取引所)に加え、上海と深圳(セン)に6つの金ETFが上場されている。

 これら4つの長所を持った金を中国の機関投資家はポートフォリオのアロケーションに入れている。それではどの程度が最適な金の割合かと言えば、総資産の3~6%であるという。6%に増やすと、2007年以降の激変期における資産運用のパフォーマンスは、シャープレシオを引き上げた。シャープレシオが高くなればそれだけリスクの少ない、効率の良い運用となる。要は金以外の投資で大損しても、金の利益がカバーしてくれたということである。

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