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原油の需給が緩和している以上、先高と考えるのは難しい

 10月23日時点のWTI原油は大幅に続落し、中心限月12月限は前日比2.93ドル安と3ドル近い記録的な下げ幅となってバレル当り66ドル台へと後退した。一時65.74ドルまで後退して8月中旬以来の安値をつけるとともに10月3日の直近高値76.9ドルから最大11ドル超の下げ幅となった。

 世間では、時事ニュースとしてサウジアラビアの著名な記者が殺害されたことが大きく取り沙汰され、この事件にサウジ皇太子が関与しているのではないかとの憶測を呼んでいる。この一連の事件でサウジが原油を政治的武器に使う可能性があるため、それに伴い原油マーケットが影響を受けるのではないかとの見方が一部で唱えられている。

 しかし結論からすると、今回の記者殺害事件が原油市況に与える影響は、皆無か、あっても軽微だろう。サウジが国の威信を揺るがす国際的な事件を起こしたことが長期的な観点でサウジの国力を弱めることはありうるとしても、原油市況に影響が出るとは考えられない。根本的に、今回のような時事的な事件と原油需給とはまったく異質であるためだ。需給に影響が及ばない限り、心理的な影響の範囲にとどまると考えるのが自然だ。

 従って、足元の原油価格が大きく値崩れしていることと、今回のサウジで起こった事件との関係性について深く探求することは意味がなく、むしろ、逆に、一時は80ドルを突破するかもしれないとみられていた原油価格が逆に、65ドル台まで大きく下げた裏側に、原油の供給と需要の環境が悪化して需給緩和が進んでいると認識することが重要だ。
 

 

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