米国財政赤字と金価格

 2018年8月の米国の月間財政赤字は▲7,224憶ドルであった。トランプ大統領が昨年末法人税の大幅減税を行ったため拡大している。オバマ大統領時代の2010年2月に財政赤字は月間で過去最大となり、▲14兆7,752憶ドルとなったが、トランプ大統領は就任20カ月で財政赤字はその約半分に達している。

 歴代大統領はジョージ・ブッシュ大統領(息子)が就任最後の月の2008年12月に▲5,227憶ドルと二番目の多さになったが、この時はリーマンショック(2008年9月)直後であった。その他の大統領時代の財政赤字は最大で▲3,000億ドルである。

 またオバマ大統領は世界金融危機に直面したため巨額の財政投資を行ったが、その後は財政が黒字化するほど緊縮方針を取っている。トランプ大統領は、減税による財政赤字を貿易戦争によって関税収入増で穴埋めしようとしているが、おそらく500憶ドル~1000億ドルであろう。

 本日(10月9日)公表されたIMFによる世界経済見通しでは、米中貿易戦争により2018年と2019年の世界のGDP伸び率は7月の3.9%の予想から3.7%に▲0.2%下方修正された。

 2019年の米国は、2.7%から2.5%に▲0.2%、中国は6.4%が6.2%に同じく▲0.2%下方修正されている。アジアや一部産油国における資金流出が目立ち、ブラジルは2018年のGDP伸び率の予想が1.8%から1.4%に▲0.4%下方修正されている。

 トランプ大統領は、戦後最大の好景気に水をかけているが、財政赤字のため景気対策に有効な手段を打つことができないかもしれない。そのことと金価格がどう影響を受けるかは定かでない。株価の下落と金価格は、時に同じ方向をたどることもある。

 言えることは、現在のドル高はいずれ修正されるだろうということだ。来年早々に利上げが完了すれば、その後ドルを買う動きは収束するだろう。その時が金の出番となるかもしれない。

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