金と銀の比価

 NY金とNY銀の比価(金÷銀)は、9月11日に1:84.943と少なくとも2000年以来最大となった。

 金と銀の交換比率については、長い歴史が世界各国にある。この金と銀の交換比率が地方によって異なっていたため、昔の両替商はより多くの金を得るために金の交換比率の高い地域に銀を持ち込み金に替え、今度はその金を交換比率の低い国に持ち込んで、より多くの銀を得た。金が欲しければその逆をやればよい。こうして両替商は各地域の交換レートを見て金や銀を運ぶだけで、易々と大金持ちになった。

 記録によれば、9世紀頃のヨーロッパ諸国の交換比率はイスラム世界と同じで、1対6.5であったという。日本では平安時代の1085年の相場が1:5で、元寇前後の混乱期である1287年には一時的に1:3にまでなったとの記録がある。その後はおよそ金1に対して銀が5から6の時代が続いたらしい。

 中国では元の時代に1:13、明初期には1:6であった。こうした状態が大きく変化するのは16世紀で、メキシコで銀の生産が始まり、日本では金山、銀山の開発が盛んに行われ、世界中で航海貿易が行われるようになり、日本から銀が中国や欧州に輸出された。当時の日本は銀の生産の方が多かったため、1.13程度で交換され、一方欧州では、1865年の交換比率はフランスの金銀複本位制度においては1:15.5であった。日本に洋銀を持ち込み金貨に替えてそれを欧州で銀に戻すという交易が行われた。日本の小判や丁銀の品質は欧州より格段に優れていたという。

 こうした長い歴史をひも解くと、現在の1:85というのは異常に高い比率であることがわかる。NYMEXの価格では2000年頃の比価は1:55程度であった。なぜこんなに高くなったのか明確な説明は難しい。銀が異常に安くなったのか、金が異常に高くなったのか、これは一時的な現象なのか、今後この異常さは解消されるのか。市場では様々な憶測が飛び交っている。
 

 

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