世界の中央銀行が買っている金

 World Gold Councilのレポートによれば、2018年上半期末時点で、世界の中央銀行は総額1兆3,600億ドルの金を保有しており、外貨準備の1割を占めている。2018年上半期においては、中央銀行は金市場にとって大きな存在となり、需要の1割となっている。また今後も中央銀行による旺盛な金の需要が見込まれる。外貨準備構成の多様化が図られており、今後数年にわたって、外貨準備は様々な通貨で保有されるようになるだろうという。

 2018年上半期で世界の中央銀行は19.3トンの金を外貨準備に組み入れた。前年同期は178.6トンだったので、前年比+8.2%増となっている。これは2015年以来の大きな数量である。中央銀行の外貨準備とは、国家の資産であり、その運用方法の一つに金を取り入れる国が増えているということだ。

 金の保有を増やしていることにはいくつかの理由がある。一つは、外貨準備(資産)の多様化(分散化)である。多くの中央銀行は米ドル資産が多くなっているので、ドルに対するヘッジ手段として金を購入している。金はまた他の通貨、例えば人民元などに対してもヘッジとなる。なぜなら、金価格はこれらの通貨の動きと反比例するためだ。

 また、主要通貨はそれぞれに問題を抱えている。ユーロはいくつかの加盟国が政治経済両面で難問があり、人民元には規制があり、ポンドはBrexitの行方が不透明である。債券は引き続く低利回りやマイナス金利の継続で高度な投資には不適格である。

 こうした背景から中央銀行が金の保有を増やして資産の多様化を図ることには意味がある。中央銀行がヘッジしているのは、通貨のリスクばかりではない。地政学的リスクが強まる状況下で、金は他者の信用とか相手方のリスクには無関係である。また、金を積極的な運用資産として活用しようともしている。

 金は他の資産に比べて高い流動性がある。毎日の取引高は、主要先進国の政府債の市場規模をしばしば上回っている。いくつかの国は、金のリースやスワップ、その他の取引を通じて資産の流動性を積極的に管理し、リターンを求める行動を取っている。
 

 

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