タイにまだ31万トンのゴム在庫があった!?

 東京ゴムは安値から脱し切れないでいる。それどころか、先週18日から19日にかけては全限一代の安値を更新し、弱気優勢、強気劣勢と色分けすることが出来る。

 最近の東京ゴムの価格変動を見ると、8月28日時点の高値は9月限161円20銭、10月限165円90銭、11月限170円40銭、12月限172円40銭、2019年1月限175円30銭、2月限175円40銭。

 それが、9月19日には9月限144円60銭で8月28日に比べて16円60銭安、10月限148円で同17円90銭安、11月限152円60銭で同17円80銭安、12月限156円60銭で同15円80銭安、2019年1月限は9月18日に161円50銭で同13円80銭安、2月限も同日に164円10銭で同11円30銭安を強いられている。

 9月限、10月限、11月限の期近3本が下げ足を早めているのは、前回の本欄で述べた通り、1年間の供用期限を迎える現物が大量に発生するからだ。昨年10月から今年1月まで4ヵ月の間に東京商品取引所で検品申請を受けた現物が1,468枚(7,340トン)が、今年12月までに受け渡ししないと期限切れを迎える一方で、これを実需がすべて受け切れるかどうかだ。

 4ヵ月間で1,468枚、月平均で367枚の現物を9月限、10月限、11月限、12月限で消化出来るかどうか。消化出来なければ価格で解決しなければならず、年内に納会を迎える限月は強い圧迫を受けるということ。

 すでに、それが表面化しているからこそ、当限と先限の順ザヤ幅が24円ほどに拡大しているわけで、仮に相場が一時的に値上がりしても、これだけ順ザヤ幅が拡大すると、買い玉を長く持ち続けるほどに、期近になるに従って価格が下がり、損失リスクが大きくなるということだ。

 昔から、『順ザヤ売るべし、逆ザヤ買うべし』というが、まさに、現在のゴム相場は、『大順ザヤ売るべし』といえるのではなかろうか。

 もちろん、このような安値になると、産地タイから現物を運ぶ人はいない。だから、いずれはバーゲンセールで在庫が一掃されれば、今度は、いわゆる、『無い物高』の相場展開が期待出来る。

 要するに、今度は今とは逆に産地から荷を呼ぶべき高値を出さないと、タイ産地から現物を呼び出すことが出来ないわけで、そうなった時の反発はモーレツだと思われる。

 しかし、今からそれをいうのは早い。現状の相場を見ると、東京ゴムの場合、一代の安値を更新すると相場が反発、そして、戻り一巡すると再び安値を更新するパターンを繰り返している。このような動きでは買い玉をもっている投機筋も見切りをつけにくく、投げ(損切り)にくい。どうしても、『もう下げ止まるだろう』の気持ちが先行しがちで投げない。

 だから、底入れもなかなか確認出来ないままに、“悪性相場”になっているといっても過言ではない。相場が一気に下げて出来高が急増しないとアク抜けは難しいと見る。

 タイ農業及び農業組合省の大臣が政府ゴム在庫31万トンのうち10万トンを同国エネルギー省に購入してもらうよう、要請したと伝えられているが、これによって、あらためて市場に、『まだ、31万トンもの政府在庫があったのか』を認識させた格好で、マイナス要因となりそうだ。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事