トランプ関税の原油市場に与える影響は小さくない

 9月18日のWTI原油の中心限月は一時70.42ドルまで上昇した。9月に入ってから陽線を引きながらバレル当り70ドルの心理的節目を突破したのは3度目である。

 原油相場が復調している一つの要因として、これまで原油高の抑制役にまわっていたサウジアラビアが姿勢を変え、少々の値上がりに対して目をつぶる方向にあることが一因だとの指摘がある。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相ら関係者は、これまでの原油高を回避する方針を撤回して80ドル付近までは容認すると発言した。

 サウジアラビアとしては、本来であれば生産国であるため原油高はウエルカムであろうし、財政的に均衡を保つために必要な原油価格は70~80ドルともいわれているため(IMF試算によるサウジの財政均衡可能な原油目標価格は86ドル)、原油価格は高ければ高いほど歓迎すべきである。しかしあまりに高い原油価格が世界景気に悪影響を与えるとともに将来的な原油消費にブレーキをかけることを承知しているため高過ぎる水準は抑えようとしてきた。実際、ここまで米政府の思惑に沿って原油高を抑制するよう努めてきた。今年6月に開催されたOPEC総会ではイラン産原油の減産分を補うため名目100万バレルの増産策を打ち出している。

 しかし今回のサウジ関係者の発言は、米国のイラン制裁や新興国市場の混乱が原油需要にもたらす影響がこれから広がった場合、原油高に対する産油国の抑止力には限界があるとの考えを示したと受け止められる内容である。
 

 

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