米中貿易戦争と金価格

 トランプ米政権は17日、約2000億ドル(約22兆4000億円)相当の中国製品に追加関税を課すと発表し、翌日中国が600億ドル相当の米輸入品に対する報復関税を発表した。世界の二大経済大国の間で貿易を巡る緊張が一段と高まった。このことと金価格の関係を直接的に語ることは難しいが、ドルの動きを予想することでそれと反比例する金価格を予測してみよう。

 今年に入ってから3月と6月に二度の利上げを行った米国連邦準備制度理事会は、今年9月と12月に二度の利上げを行うことはほぼ既定路線と思われる。

 問題は来年3月と6月に利上げがあるかどうかである。9月のFOMCの声明及びパウエル議長の記者会見で、来年の見通しについてどう語られるかが注目される。これが金利面でのドルの動きを占うカギとなるだろう。

 一方、経済面では、貿易戦争の影響はすぐにではなく後になってじわじわと効いてくるものと思われるが、短期的には関税が値上がる前に、年内の中国品は買い溜め需要で潤うことになるだろう。その反動は来年初めから現れ、中国品は大幅な販売減に見舞われるだろう。

 米国経済は年内大きく伸び、中長期的にはじわじわと消費支出に影響が出て、企業は新規投資を差し控え、身を縮めることになるだろう。経済面からは短期的にはドル高で、中長期的にはドル安と占える。

 貿易収支から見ると、年内は中国品の大量輸入により米国貿易収支の赤字は改善されず、来年以降は中国製品の輸入減少効果が出て米国の貿易赤字は減るだろう。これはドル高要因となるだろう。

 こうしてみると、ドルをめぐる要因はかなり複雑であるが、概して見れば当面はドル高が継続し、米国経済の変調や株価の下落が見られ始めると、また米国の利上げが止まり、来年9月以降に予定されるECBの利上げが始まる予感がするとユーロ高となりドル安となるだろう。つまり、金価格はしばらく低迷を続け、来年後半にかけて高くなると予想できる。
 

 

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