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ドル高の先にあるもの

 NY金価格は8月16日1167.1ドルと2016年1月以来の安値を付けた。一方、ドルインデックスは8月14日96.731と、2017年6月以来の高値となっている。

 金安の主な原因はドル高だと思われる。ドル高の原因は良好な米国の経済状況にもあるが、もう一つの要因として米連邦準備制度理事会が粛々と金利を上げる姿勢を見せているためでもある。欧州や日本ではほぼゼロ金利が定着しているのに対し、米国の中央銀行だけが利上げを行っている。二国間の通貨の価値を計る為替レートは金利の高い方に資金が流れるため、金利の高くなるドルが買われている。

 ドルの独歩高は新興諸国通貨の下落となる。トルコを始め中国や南ア、ブラジル、アルゼンチン等の通貨が下落すると、金利が安い時にドル建てで借りた各国の企業の返済負担が増えることになる。通貨価値が半減すれば、それまでの二倍の稼ぎがないと元本と金利を返済できなくなる。

 また通貨安はその国からの投資の引き上げにつながる。そして投資の引き上げはその国の通貨を売ってドルを買う動きにつながるため、新興諸国通貨はますます下落することになる。

 ここで問題はFRBの態度である。こと米国に限って言えば、将来景気が後退する時期に備えて金利を3%前後に引き上げるという金融政策は尤もなことである。また今後貿易摩擦の影響で輸入関税の上昇により輸入物価が上がることも考慮に入れれば、インフレや景気過熱感を冷やすために金利を上げることは正当化される。

 しかし、その裏で世界経済がドル高のためにダメージを受けるのを見過ごして良いのかという問いがFRBに投げかけられる。利上げはドル高を呼びドル高は新興諸国経済に打撃を与えている。今週金曜日ジャクソンホールにおいてパウェルFRB議長が講演するが、世界経済の混乱に対してどのようなコメントをするかが注目される。

 また、今後の新興国の経済状況によっては、米国の利上げもせいぜい9月と12月までかもしれない。つまりドル高はいずれ是正されねばならない。すなわち、金安はいずれ是正されるだろう。

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