原油はリアルな需給を模索しつつ神経質な展開が続きそう

 先週は、米国とイランとの対立が一層色濃くなり、その動きがイランのホルムズ海峡封鎖に対する懸念につながって世界のエネルギー安全保障を脅かす状況を生んだ。今後の原油相場は、この中東地域における軍事的脅威を孕みながら、潜在的な下値支えの要因となり続けそうだ。

 しかし、その要因だけで原油価格が上昇するのか…との問いに対する答えは「否」であろう。原油供給に対する懸念はあるものの、まだリアルに需給に影響を及ぼすような材料にはなっていないため前述のとおりあくまで「潜在的」な要因にとどまるはずだ。従って、足元のWTI原油は弱含みに推移しておよそ1カ月半ぶりの安値圏まで後退しているが、その動きこそリアルな需給を映したものだといえる。

 今後の原油市況を見通すうえで最優先となる要因が、引き続きこの「リアルな需給」であり、その物差しとなるのがリグ稼働数であったりEIAがまとめる週間ベースの原油在庫などである。あるいは中国のエネルギー需要動向の参考となる景気指標なども重要なキーである。足元ではトルコ・ショックが世界金融危機の火種となるのではないかとの観測が一部で誘われている点なども気になる。

 なお、中国汽車工業協会が10日発表した7月の中国新車販売台数は188万9100台と前年同月比4.0%減少。米中貿易戦争を受け、米国製品を敬遠する消費者心理が芽生えているうえ景気の先行きへの不安が買い控えにつながった模様である。中国の消費をけん引してきた自動車販売の低迷が長引けば、経済成長を下押しする可能性があるだけでなく、その分だけガソリン需要も縮小することは必至だ。
 

 

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