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サウジ原油輸送停止の影響は一時的で逆に下落リスクが高まっている

 原油相場は70ドルの心理的節目を再び突破する動きとなっている。WTI原油は7月30日、中心限月の9月限が前日より1.44ドル上昇して70.13ドルで取引を終えた。報道されているとおり、サウジアラビアが紅海の南端に位置するバブエルマンデブ海峡を経由した原油の輸送を一時停止する臨時措置を講じたことが最大の原因。背景には、サウジ国営海運会社が所有するタンカー2隻がイエメンのイスラム教シーア派系武装勢力、フーシ派に攻撃されたことがある。

 参考までに、バブエルマンデブ海峡は、世界のエネルギー輸送において大きな役割を果たしており、イエメン、ジブチ、エリトリアの間に位置している。またイエメンは、インド洋と紅海を結んだ海峡に面しているため、戦略的に特別な地位を有している。

 今回の事件で最も警戒されるのは、サウジの原油輸送停止が長期化する懸念に加え、サウジ周辺の産油国がサウジの動きに追随するのではないかとの点である。仮に、海峡が全面的に封鎖された場合、欧州と米国に向かう原油および石油製品およそ日量480万バレルの輸送が止まってしまうことになり、一段と深刻な事態に陥るだけでなく、原油価格はますます上昇の勢いを強めることになることも考えられる。

 ただし、今のところ周辺産油国がサウジに追随して出荷停止をする動きは出ていない。またイエメンのフーシ派に対し軍事行動をとる西側諸国の動きもない。このため、今回の事件はこれ以上の広がりはみせず、一時的な事態にとどまる可能性が高い。
 

 

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