加熱する米中貿易摩擦で懸念される中国のエネルギー需要

 世界中から注目が寄せられている米中貿易摩擦がますます激しくなっている。トランプ政権は10日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当を対象とする新たな関税リストを発表。これを受け中国商務省は報復せざるを得ない旨を明らかにした。米通商代表部の発表資料によると、10%の追加関税は8月末以降に発効する可能性があるとしている。同リストの対象品目は衣料品、テレビ部品、冷蔵庫、その他のテクノロジー製品。今回の関税が実施されれば中国からの輸入品の約半分に追加関税が課されることになる。

 この貿易戦争に対し非難が集中。米実業界は愚かなことだと批判し、また経済学者らは好調となった世界経済に打撃となり得ると警告。しかし米中の公式協議継続の兆候は見られず、両国はこのまま行けば長期的な貿易戦争に突入しかねず、そうなった場合は経済成長が阻害されるのは避けられそうにない。

 米国の関税リスト発表を受け日本時間11日の中国株は下落、人民元も下げ、アジアの市場は総じて値下がりした。上海総合指数は一時2%下げ、香港ハンセン指数も1.4%安と急落。元はドルに対し約0.4%下げ1ドル=6.664元台で推移した。

 短期だけでなく、代表的な上海総合指数は今年1月下旬の直近最高値3,587ポイントを天井として、先週5日には一時2,700ポイント割れまで下げ、この約半年で25%も大幅に下落し、しかもまだ底打ち感のない状況を強いられている。実際、同指数はトランプ米大統領が太陽光パネルに初の輸入関税を導入すると発表した1月から下げの一途をたどっているが、制裁関税を適用する中国製品の範囲を当初案より拡大すると表明した6月中旬からの下落率がおよそ10%に達したことは、それだけ米国の関税導入の動きが破壊的であることを物語っている。専門家によると、輸入品にかかる関税の規模が大きくなるほど国内総生産(GDP)に潜在的に及ぼす影響は「線型的」な推計値よりもずっと膨らむと分析。景気信頼感や投資、世界中の供給網への二次的な影響を考える必要があり、また金融市場の動きや資産効果、企業の資金調達を通じた経済への悪影響もあると指摘する。
 

 

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