利上げ後の金価格は下落中

 これまで、米国の利上げが近くなるととNY金価格は下落し、利上げが成就するとNY金価格は反転上昇する傾向が続いていた。今回もその繰り返しになるかと思いきや、NY金は下がったまま更に下落している。

 これは、6月13日の利上げ直後、15日にトランプ米大統領が中国に対して340億ドル相当の関税引き上げを公表し、翌日中国が同額の報復関税を公表したことにある。

 6月15日のNY金価格は▲29.8ドルの大幅な下落となり1,300ドルを割り込んだ。つまり、今回の利上げ直後に世界経済に対するこれまでとは異なったビッグイベントがあったということである。

 NY金価格とドルインデックスを比較すると、昨年初めを100としたグラフではきれいに逆相関を描いており、▲0.85という相関係数で強い負の相関を示している。トランプ大統領の貿易戦争はドル高なのかという点は疑問であるが、6月14日にECB理事会があり、ドラギ総裁が欧州の利上げは来年9月以降であると述べ、市場の落胆を買った。ユーロドルは下落し、その後イタリアの組閣を巡って欧州危機再燃かと思われたため、ユーロが売られドル高になっている。

 今後の為替動向についての私見では、トランプ大統領の貿易戦争は、世界に混乱を招くのみで何らの果実も得られないと思う。おそらく、市場心理はこれまでの好景気からの反転下落というものになり、長く続いた好景気は一つのサイクルを終えたという実感を多くの市場参加者が抱くのではなかろうか。

 貿易戦争は双方に損害をもたらすと思われ、市場心理の冷え込みだけが残るのではないだろうか。今年二回の利上げを控えて米ドルがどう動くのかわからないが、強いアメリカ、強いドルという感覚にはなれないと思う。長い目で見ればドル安だろう。ただ短期的なことはわからない。金も短期的には米国の利上げによりドル高になれば反比例して金安となるだろう。だが中長期的にはドル安で金高の目があると思われる。
 

 

 

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