米中貿易戦争などで混乱が危惧される原油マーケット

 足元のコモディティ市場は、欧米の金融政策とトランプ政権が発信源となっている世界貿易戦争の二つの要因で大きく揺れている。

 6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で世界の金融業界を驚かせたのは、今年開催される残りのFOMCであと2回、利上げすると公言したことである。6月の利上げは市場では織り込み済であったため驚きを与えることはなかったものの、今年はあと1回の利上げになりそうな雲行きだった中、あと2回、合計4回の利上げを年内に実施すると言及したことは金を筆頭とするコモディティ市場を強く圧迫した。

 参考までに、FOMCの利上げ確率を示すフェドウォッチでみると、年内に4回利上げする場合、6月のFOMC開催直前は35.2%であったのに対し、FOMC開催直後は53.0%まで大きく跳ね上がった。

 欧州中央銀行(ECB)の金融出口戦略もコモディティ市場にとっては上値圧力の要因となっている。ECBはFOMCと同じ6月の会合で、2015年から継続していた量的緩和を終了させると発表した。現在実行されているAPP(資産買取プログラム)は9月まで現行どおり(月間300億ユーロ)とするが、10月以降はその半分まで減らし、12月一杯で打ち切る方針だ。

 言うに及ばず、量的緩和の先には金利水準の平常化オペレーションが待っている。つまり、マイナス金利政策も打ち切り利上げに着手するということだ。その時期は2019年半ばが有力視されているが、今回の会合では明確には打ち出さず、慎重な時間軸が示された。実際、足もとの景気減速や米国との貿易摩擦、イタリア政情不安などへ配慮がうかがえる内容になったことは衆目の一致するところである。
 

 

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