過剰在庫を処理するには、バーゲンセール相場が必要

 東京ゴムは先週13日に当限(6月限)が170円台割れ、14日には先限も180円台を割るなど下げ足を早めた。前回の本欄でも述べた通り、当限納会(25日)には1年間の供用期限切れ接近玉が品渡しされる一方で受け手難が予想され、今週は当限が一段と売られる可能性があり、再び先限との順ザヤ幅を広げる可能性がある。

 しかも、昨年10月から12月までの3ヵ月間に取引所で検品申請した現物が1,072枚(5,360トン)が、やはり、1年間の供用期限を控えて8月以降に集中して渡される恐れがある。

 東京商品取引所のゴム指定倉庫在庫は5月末で1万3,590トン、このうち、受け渡し標準品のRSS3号は1万3,177トン、枚数にして2,635枚もあり、これを納会での受け渡しだけで消化するとなれば相当の年月が必要になって、相場に圧迫を加え続けることは間違いない。

 また、過去は東京に産地から大量の現物を呼び込んだ時には、やはり、バーゲンセール相場に発展したが、この時には過剰在庫を中国に売却したケースがあり、それも、大手商社の手によって実現した。

 しかし、今回は大手商社以外の筋がタイから大量の現物を運んできただけに、果たして、その余剰ゴムを中国に輸出出来るかどうか課題といえる。

 しかも、中国自体のゴム在庫も上海と青島を合わせて65万トン規模に膨れ上がり、更に9月か10月に上海市場でTSR20が新規上場されれば、今度はTSRの在庫がこれに加わることになり、余剰在庫に拍車をかける恐れもあるわけだ。

 ところで、上海ゴムの6月1日の相場と15日の安値を見ると、9月限は1日の1万1,640元から15日の安値1万0,735元まで905元安(トン当たり1万5,560円安、キロ当たりで15円57銭安)、11月限は同1万1,825元から同1万0,880元まで945元安(同1万6,254円安、同16円25銭安)、そして、2019年1月限は同1万3,710元から同1万2,250元まで1,460元安(同2万5,112円安、同25円9銭安)となった。

 6月1日の9月限と2019年1月限のサヤは2,070元(トン当たり3万5,604円、キロ当たり35円60銭)だったが、それが先週15日の安値では双方のサヤが1,515元(トン当たり2万6,058円、キロ当たり約26円)まで縮小した。

 9月限及び11月限が下落したのは上海ゴム在庫の48万5,000トンが重圧、加えて11月限が下げたのは48万5,000トンの在庫のうち20万トンほどが11月に供用期限切れ、捨場になると見られるからだ。また、2019年1月限の下げが大きかったのは前に述べた通りに、上海市場で9月か10月にTSR20の新規上場に伴ってTSR在庫が増加すると見られるからだ。

 それだけでなく、米調査会社LMCオートモーティブが明らかにしたところによると、トランプ大統領が自動車に25%の輸入関税を課した場合、米自動車産業は最低でも年間100万台の販売を失う恐れがあると予想している。また、メーカーが輸入関税25%を全て消費者に転嫁した場合には米国内の年間販売台数の1割強に相当する約200万台の販売を失う可能性があるとしており、これは、ゴム相場にとって弱材料に働きかねない。

 いずれにしても、東京ゴムは投機筋の買い支えで下げ渋っているものの、最終的には暴落させて余剰在庫の処理が必要と見られる。

 そうならなければいつまでも底入れ出来ずに、“悪性相場”が続くことになろう。
 

 

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