消費者が高過ぎると思うことが石油価格を押し下げている

 国際指標のWTI原油は5月中旬までの上昇で72ドル台まで上値を追い3年半ぶりの高値圏に達した。しかし、その後は反落へと暗転し6月5日には一時64ドル台まで後退している。

 相場の下げは、テクニカル上では今年2月の60ドル割れの直近安値から一気に70ドルの心理的節目を突破した急伸に対する訂正安である。日足ベース、週足ベースともに相対力指数(RSI)が行き過ぎの分岐点となる70に接近したことで、自律調整の動きに入ったと判断できる。

 別な角度では、WTI原油市場の業者別の建玉を示す内部要因において、ファンドの買い越しが70万枚を超える飽和状態に達したことで、買いポジション持ちのファンド勢がいったん利益出しをするための手仕舞い売りをしていることも相場下落につながった。

 押し下げの材料としては、昨年から協調減産を進めてきたサウジアラビアとロシアが減産を緩和する姿勢を示したことがある。OPEC加盟国と非OPEC加盟国とが一致団結してこの約1年半にわたって日量180万バレルの生産を減らし続けてきたが、過剰在庫がほぼ解消される状況となり需給が健全化しつつあること、またイランとベネズエラが顕著に減産していることを理由にして100万バレルほど生産を増やすことが既定路線となっている。

 更にまた、直近では、米国政府がサウジアラビアなど一部のOPEC加盟国に対し、石油生産を日量100万バレル前後増やすよう働きかけていることも売り材料視された。背景には、米国ではガソリン小売価格が3年ぶりの高値水準に達したことで、この事態を冷やそうとする米国の意図がある。この米国からの要請に対し、OPEC加盟国と非加盟の産油国は、「拡大する需要と一部地域の生産減少にタイムリーに対応し、安定した原油供給を万全にする」との声明を出している。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事