環境・テクニカル・内部要因とも判断難しい原油市場

 去年の今頃、ちょうど1年前の2017年6月に40ドル台前半まで下落していたWTI原油は、現在72ドル台まで上昇する局面を迎えている。この1年で約30ドル、7割超の上昇に及んだ。

 市場には、中東の地政学的リスクに対する警戒とベネズエラの政情不安に伴う減産懸念などからさらに相場が上昇しそうだと観測する声がある一方、それとは逆に、米シェールオイルの生産コストを上回ってきたことや最近の相場の上昇が鋭角であることより反落を予見する声も少なくなく、楽観派と悲観派とがほぼ同等に交錯する状況となっている。

 相場の上昇の勢いが強いことから、今のところは総合的に前者の強気支持が優勢にみえるが、市況が暗転した途端、まるで手の平を返したように今度は悲観論者が優勢となるのは目に見えている。マーケットが常に市場心理で揺れるため、これは致し方ないところであるが、実際、今の原油市場はかつて経験したことがないほど先行きに対する不透明感が濃い。またそれだけ相場を動かす変動要因が複雑に絡み合っている。

 テクニカル面でも、相場が2015年から17年までの3年間の日柄をかけて、典型的な逆三尊を形成したところを起点として上昇トレンドに陽転したことは紛れもない事実ながら、その後はここまで一本調子で上昇に継ぐ上昇を重ねているため、そろそろ大掛かりな修正安となってもおかしくない。

 実際、WTI原油が買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを示す相対力指数(RSI)は、週足ベースで69ポイントまで上昇、上げ過ぎを示す70ポイントに急接近する状況だ。しかしRSIが危険水域に入ってきているにもかかわらず、市況の流れに変化が出る様子は今のところまだなく、このあたりも相場の先行きの見通しを難しくさせている。
 

 

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